<書評> 教育基本法「改正」を問う―愛国心・格差社会・憲法
えりぴょん
著者に会いたい!と思わせる逸品。人よんで「みくにのてっちゃん」と「いちばのうっちー」(1)。とにかく鋭い。ドキッとするところに「(笑)」が付いています(笑)てっちゃんは1956年生まれ。本名を高橋哲哉さんといいます。哲学者です。珍しいですね。『逆光のロゴス』(未来社)などの難しい哲学書も書かれています。切れ味抜群。とても穏やかな語り口で、あらゆる論理の矛盾をさばいてしまいます。うっちーは1967年生まれ。本名を大内裕和さんといいます。スレンダーな外見とは裏腹に超エネルギッシュ。論理明快な教育学・社会学の専門家です。非常に先見の明にすぐれているため、予言者と噂されることも。
お二人とも若手というだけあって未来のことは切実。しかも「教育基本法を改悪したらたいへん!」とこの数年間、文字通り連日連夜、奮闘されてきた筋金入りの学者だから、語られる言葉のひとつひとつに無責任さが一切ないのです。みくに部門の愛国心、いちば部門の格差社会、そして両部門の合作となる憲法「改正」の三つを柱に、絶妙な若手コンビが教育基本法「改正」問題の真相を説き明かします。愛国心、格差社会、憲法。このいずれかにピクッときた人はぜひ手にとってくださいね。いま話題になっているこれらのつながりが、本書一冊で見渡せるようになります。教育基本法「改正」問題が現在のこの社会の縮図であるということに、きっと驚かれることでしょう。構成も、高橋さん×大内さんの対談(第一章)、大内さんによる法案の読み方(第二章)、現行法と国会に出されている「改正」法案の全文比較表(資料)とぜいたくでありながら、野口英世あるいは夏目漱石一枚との交換で手に入れることのできる、なんともお得な書物です。(続く)
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